一般社団法人 DNA多型鑑定研究会 Society for DNA Polymorphism and Identification

ご挨拶MESSAGE

PROSPECTUS設立趣意

 DNA多型鑑定研究会は、DNA多型を用いた鑑定の技術研究、検査結果の正確な数学的解釈、血縁鑑定の研究と検査結果の解釈、困難資料のDNA鑑定などを通じて、DNA鑑定の発展に貢献することを目的として2023年2月に設立されました。

わが国のDNA鑑定

 1985年の英国レスター大学アレック・ジェフリーズ教授のDNA指紋法の考案に始まったDNA鑑定は飛躍的な進化を遂げて、現在の犯罪捜査や身元確認において不可欠の検査のひとつとなっています。わが国でも1992年の全国科捜研の実務導入以来、ヒトDNAの分析対象領域や方法が変遷しながら、より高感度で効率的な「DNA型鑑定」として進められています。わが国の鑑識領域のDNA検査技術は欧米先進諸国と変わらない水準ですが、感度よりも特異性を重視するため、検査結果からできるだけ多くの信頼性の高い情報を引き出すことに関してはやや遅れているといわざるをえません。

分析技術の発展とともに

 また、DNA分析技術の発展と犯罪の巧妙化に伴い、犯罪現場などに残された資料を分析すると、微量で複数人のDNAが混じっていることも多く経験するようになりました。そのような検査結果の分析にはソフトウェアを用いた数学的解釈が世界標準となっていますが、専門的知識と経験が必須であり、わが国ではそのような専門家は非常に少ないのが現状です。さらに、ご遺体の身元確認にDNA検査による血縁鑑定を用いることが頻繁となりましたが、死後経過時間の長いご遺体では歯や骨しか採取できないことがあり、このような硬組織からのDNA鑑定は熟練者でないと不可能です。

 本研究会はわが国におけるこのようなヒトDNA鑑定に関する課題に対して、専門家として真摯に向き合い、解決をはかるため設立されました。関係各位の皆様のご協力、ご支援を仰ぎながら、わが国のDNA鑑定が全ての面で世界水準となるよう貢献することを目指しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人 DNA多型鑑定研究会
理事長 玉木 敬二

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